W100 600 

1963-1981

 まだまだ丸っこいフェンダーの乗用車が普通だった1963年に、それまでのW189・300シリーズに代えてダイムラーベンツが送り出したショーファードリブンセダン&リムジン。その風格は40年経った今も色あせることは無く、硬派フォーマルカーの最高位に君臨する名車。ロングホイールベースの「プルマン」は特注車輌ではなく、正式なカタログモデルだった。
 この車の為に開発された、M100型6.3L・V8エンジンは、その後W109型の300SEL6.3に搭載され、メルセデスの高性能エンジンのイメージリーダーとなり、現在も6.3という数字はメルセデスにとって特別な意味を持つ。
 サスペンションは、フロントはダブルウイッシュボーン、リアはスイングアクスル、そしてバネはコイルではなく、W!112で採用されたエアサス。
 当時の最高級車であるからには装備も最高で、パワステ・エアコンは当然標準装備。
特筆すべきはLHMと高圧ポンプを使ったハイドロシステムで、これでパワーウインドー、トランクの開閉、スペアタイヤのせり上がり、温水バルブ・空気取り入れ口の開閉などを行う。

 この600をすべて「プルマン」と表現しているケースをよく見かけるが、「プルマン」は本来ロングホイールべース(LWB・3.9m)モデルの「プルマン・リムジーネ」に対して「600・プルマン」と用いるべきで、2ドア・ショートホイールベース(SWB・3.2m)の「リムジーネ」は、ただの「600」である。パーテーションが付いていればリムジンとは呼べるかもしれないが。

600のハイドロシステム
書きかけ

MODEL

Chassis Engine Model Years HP Production Weight
100.012 M100.
980, 982 V8
600 SWB
Sedan
 8/1963-
    6/1981
291 2190 2470
100.014 M100
.980, 982 V8
600 Pullman
4 door
 8/1963-
    5/1981
428 2640
100.015 M100.
980, 982 V8
600
Landaulet
1965-71 59
100.016 M100.
980, 982 V8
600 Pullman
6 door
 8/1963-
    5/1981


100.012 SWB(ショートホイールベース・手前)と
100.014 プルマン(ロングホイールベース・奥)


100.012 こちらはあまりにも有名な元ヤナセ会長梁瀬次郎氏の愛車。
旧オールドタイマーセンターで実車を拝見いたしました。


100.014 プルマンの4ドアヴァージョン
ホイールカバーが一体型の後期タイプをつけています。
デビュー当時、15インチのタイヤを履いたセダンはW100だけ。
W111(ハネベン)は13インチ、その後の縦目も14インチが標準でした。


100.015 これは珍しい、6ドアヴァージョンで、さらにランドレー。
何処かの大統領の公式行事用だったはずですが。


多分上と同じ車。6ドア車は「お付き」の人用の前向きの補助イスが付きます。


これは旧300に引き続き使われたローマ法王専用車。グラスエリアが高い専用設計。
後部の真ん中には大きなイスが一つだけあるはず。


100.014 アメリカ仕様のヘッドライトを装備したプルマン。
センターキャップが小さい初期型の2分割ホイールキャップを装着。


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